未来へのまなざし

建築は、暮らしの拠り所として、水や空気、エネルギーや情報と等しく、私たちの暮らしになくてはならないものだと考えています。時代が移り変わり環境や社会がどの様になろうとも、建築され具体的なかたちを持ってこの世界に生み出されるものは、暮らしの拠り所として人の心を捉え続ける存在でなければならないと考えています。建築が暮らしの拠り所といっても、簡単には伝わらないかもしれませんが、よい建築は人に感動を与え、生きるモーチベーションを与えてくれます。また、心地よい音楽を聴いて自然に心が揺れるように、よい建築は自然に人の心を揺らします。よい建築は人が暮らすためになくてはならないものなのです。私がつくりたいものは、お母さんが子供のために一生懸命に手づくりでつくる料理と似ているのかもしれません。一人一人の価値観が多様になった現代は、暮らしも多様になっています。身体と空間や時間の関係性を的確に捉え、素直な心で普遍性と革新性をあわせもつ暮らしの拠り所としての建築を、いつもまでもつくり続けたいと考えています。